「無職転生 〜異世界行ったら本気出す〜」第22話【感想】
第22話「現実(ユメ)」つれー
現実と書いて、ユメと読ます、今話のタイトル。
ルーデウスの夢の中から今話は始まる。
今までルーデウスが出会った人たちが一堂に会している。ロキシー、シルフィー、エリスのヒロインが集合して談笑している絵は、本当に実現すれば、心が洗われる思いがするだろうな。
しかし、そんな幻想も長くは続かず、窓から覗く大きな目をきっかけに空間が歪んでいく。
今いる世界は確かに現実のものなのだけれど、一瞬にして、まるで夢から覚めるように全てを失って元の世界に戻る。
そんな悪夢を見てうなされていたルーデウス。
オルステッドに死ぬほどの傷を負わされ、一度は死を意識したことが、こんな悪夢を見せているのだろうか。
しかし、ルーデウスは本当に一度死んでいる身、こんなふうに今現実だと思っている世界がいつか急になくなってしまうのかもしれない。そんの不安は常に抱いているのかもしれない。
ルイジェルドとの別れ
ルイジェルドに尋ねられ、とうとうヒトガミの存在を説明するルーデウス。さすがに前世のことは話していないだろうが。また、俺は信用されていないのか展開にならなくてよかった。
ルイジェルドにとっても耳にはあった名前らしく、ヒトガミと龍神、太古の七神と呟いていた。七大列強とは別の括り。400年前のラプラス戦役を知るルイジェルドが知らない太古とは、いったいどれくらい昔なのか。
ヒトガミから聞いた呪いのことも説明するルーデウス。
デッドエンドがしてきた事が無駄ではなかったということ、努力を続ければ呪いはなくなるということを知ったルイジェルドは安堵する。
泣き顔を見せないように、後ろを向くルイジェルド。
400年の苦しみからの解放が目の前にあるのだ。相当なカタルシスを感じているに違いない。
ルーデウスの故郷へ辿り着くが、緑豊かな土地や暮らす人々全てが失われてしまっていた。
若干、忘れかけていたが、ルイジェルドがルーデウスについて旅をしているのは、ルーデウス達を故郷へ無事辿り着かせるため。その目的は果たされてしまったし、ルーデウスもエリスも守ってもらう子供ではなく、戦士として認められる存在に成長していた。
ここでルイジェルドとは別れなくてはならない。
ルイジェルドはスペルド族の汚名を晴らす旅へ、ルーデウス達は家族を探す旅へ。
ルイジェルドはこれまでのルーデウスの行いにれいをいう礼を言うが、自分は何もしてません、ヒトガミに言われてやっただけと謙遜するルーデウス。
そんなことはない、ルーデウスは一生懸命考えてやってくれてた、これはわたし達には分かる。
もちろん、ルーデウスだって分かっている。
「見たことない神などどうでもいい、実際に俺を救ってくれたのはお前だ、ルーデウス」
このセリフは痺れた。
『ワールドトリガー』の序盤で、遊真が修に対して放った「自分の手柄も他人に勘定してもらわなきゃダメなのか?」というセリフを思い出した。
ルーデウスはルイジェルドにとってのヒーローだ。ヒーローは自分の手柄を認識するべきなのだ。そうしないと救われた気持ちの礼を誰に言えばいいかわからなくなるからね。
最後に子供扱いをすると言って、二人の頭を撫でるルイジェルド。戦士だと認めた相手の、頭ではなく、肩に手を置く場面があったが、今度はその逆。涙を堪えていたエリスもこれには泣き出していた。
本当にいいパーティだったと思う。もっと三人で行動するところが見たかったが、みんなそれぞれ目的があるもんね。それはわかままだ。
ルイジェルドの髪の毛がある時が回想で流れて、そっちの方に違和感を覚えてしまった。髪の毛無くなってからの方が遥かに見てる時間が長くなってるんだなあ。
エリスの決心
エリスの故郷を訪れ、ギレーヌと再会する。
わたし達が知っているおじいさまサウロス処刑以外にも父フィリップ、母ヒルダも亡くなっていたようだ。
さらにピレモン・ノトス・グレイラッドが妾に貰ってやるという提案をしてきているということを伝えられる。
ピレモンはパウロの弟で、パウロ以上のクズだと言われている。どんなやつやねん。
旅の道中、覚悟はしていると言っていたエリス。みんなの前で弱さを見せることはなかったが、一人になったエリスは泣いていた。
身内の死もショッキングだったろうし、妾に貰われればルーデウスともわからなければならない。それを拒絶すれば、領内に住む人達を見捨てることになる。
以前のエリスであれば、自分のしたいように行動していただろう。ルーデウスと出会って成長したがために、周りの人達のことも考えられるようになり、ルーデウスと別れる選択肢を選ばないといけなくなるという悲しいパラドックス。
夜に薄着でルーデウスを訪ねるエリス、何かが吹っ切れたかのように落ち着いている。
関係なんてどうでもいいから家族が欲しい、夜を一緒に過ごして欲しいというエリスの表情は自暴自棄という感じでもない。
お母様から習ったという「ルーデウスの子猫がほしいニャン」というセリフ。フィリップ、自分の奥さんにも獣人プレイさせてるやん、というツッコミは置いとくとして、面白フレーズなのに、どこかしっとりとした印象を与える言い方である。
エリスと出会ってからのことが回想される。この作品を通して1番成長しているのがエリスだよね。
ワインの中にグラスが沈んでいき、暗に破瓜を示している。そして、翌朝、スズメなのか見たこともない魔物なのかの鳴き声とともに外に出るルーデウス。いわゆる朝チュン。
しかし、ベッドの中にエリスの姿はなく、あったのは切り落とされた髪の毛と、ルーデウスと釣り合いが取れないので、旅に出ると書かれた手紙。
ルーデウスはすごいんだからと繰り返し言っていたエリス。ルーデウスを一度失うと思ったことで、自分がどれだけルーデウスに依存しているかに気付き、ルーデウスに守られているだけでは、だめだという思いが生まれたのかもしれない。オルステッドに負けた後、すぐにオルステッドのディスタブマジックを覚えようとするルーデウスの背中に、何か考えている様子で抱きつくエリスが、今話の前半では描かれていた。
エリスはピレモンの元に行ったのだろうか、それとも別の場所へ旅に出たのだろうか。あの特徴的な長い髪を切り落としたのだ。相当な決心があったに違いない。
仮にもう一度ルーデウスと会うことができたとしても、今までと同じような立場で会うことは叶わないのではないだろうか。
ルイジェルドとも別れ、エリスとも別れ。一人になってしまったルーデウス。子供みたいに泣きじゃくっている。
ルイジェルドと別れた時、パウロに責められた時、シルフィーやロキシーと別れた時でさえ、こんなふうには泣かなかった。
感情を露わにして泣くということすら、この世界では初めてなのではないだろうか。
つれー。放送されているのは残すところ、あと一話。ゼニス、ロキシー、シルフィーとの再会はあるのだろうか。
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本ページの情報は2022年3月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。