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「無職転生 〜異世界行ったら本気出す〜」第23話【感想】

第23話「目覚め、一歩、」 とうとう最終回。

 

最高の最終回だったし、最高のアニメだったと言って過言ではない。なろう系、異世界転生ものに対するわたしの偏見を取り除いてくれたという意味でも、大きな作品だった。

もちろんジャンルの枠を飛び越えて、わたしが20年以上見てきたアニメの中でも、間違いなく上位の作品になったし、今後面白いアニメを聞かれた時に紹介したい作品になった。

人を選ばず勧められると思う。

 

続刊中の原作付きアニメの場合、どこをアニメの最終回にするかという選択が求められる。この最終回は本当に綺麗な纏め方だったと思う。

二期が見たくなる引きの強さも素晴らしいのだが、それ以上に一期を見ただけでも、一つの物語を見終えたという満足感を得られるのはすごいと思う。

2話で、師匠に導かれ外に出たルーデウス。正直、2話を見た時点では、これでトラウマ克服できてもたら、話終わりじゃないの?これから、何を目的に生きていくんやろうと思っていた。

今話と2話を比べると、大きく違うのはロキシーの存在だ。

ロキシーは今話でキシリカ・キシリスから、ゼニスの居場所と、ルーデウスの様子を聞き出した。そして、どちらへ向かうか選択をした。ロキシーはルーデウスが落ち込んでいるということを聞いても助けにいかなかった。あえて悪い言い方をすれば、ルーデウスを突き放したのだ。

ルイジェルドからも、エリスからも、突き放された。一人になったのだ。

前世と同じ状況が出来上がった。前世では周りの手を振り払ったのはルーデウス自身だ。

ルーデウスはあの部屋にまた閉じ込められてしまったのだ。もう誰も手を差し伸べてくれない。一度は生きることを諦めるが、這い上がる。そして、一歩を踏み出す。

2話のトラウマ克服は、単純に外が怖いという恐怖をロキシーが取り除いてやっただけだ。奥底ではまだルーデウスは前世に囚われていたのだ。執着があったのだ。だから、ヒトガミの空間で前世の姿になった時、嫌悪感が拭えなかった。わたしは不思議だった。こんなに成長したはずのルーデウスが自分の姿を見せられるのを、嫌がるのが。解決しなければならないのは、トラウマなんかではなく、前世の後悔だったのだ。

今回はそれができた。誰の手も借りず、自分の足で、しっかり地面を踏みしめた。ルーデウスはやっと囚われていた場所から抜け出す事ができたのだ。

ルーデウスがずっと閉じ込められていた過去から抜け出すという一つの物語が完結した。

母親とはまだ会えていないし、問題も山積みなのだけれど、爽やかな気持ちになれる、良い締め方だったと思う。

今話のタイトルも良い。読点で終わらせることで一歩踏み出したその先へ物語が続いて印象を与えている。

 

最高だった。これに尽きるし、これに勝る感想なんてないのだけれど、一応、いつものように気になったことを以下に書いていく。

 

シルフィー再登場

久しぶりの再登場かと思いきや、お前がシルフィーやったんかい。

サウロスが処刑されるとき、なんかX-MENサイクロプスみたいなやつおるぞ、と思っていたが、そいつがシルフィーだった。衝撃。

なよなよ系僕っ娘から、はきはき系僕っ娘にランクアップしてた。はきはき系僕っ娘ってもしかしたら、新ジャンルかも。気持ちいい性格になってそうで嬉しい。

シルフィーの周りは制服を着ており、校章みたいなものが窓に映っている。もしかすると、自力でラノアに通えるようになったのだろうか

制服を着ている人達は、ルーデウスの話が本当ならお声がけしたいと言っているし、推薦入試や一芸入試みたいな制度があるのかもしれない。学校の生徒会みたいな雰囲気を漂わせているが、ただの生徒会がなぜ処刑の場にいたのかは気になる。

髪の色は銀色みたいになっていた。学校デビューなのか、それとも緑髪を隠しているのか。目的はわからない。もしも、隠しているのだとしたら、シルフィー=ラプラス説もまだ生きている。

 

この作品、全編を通して、アイテムを象徴的に映すということを多用している。

前話のワインもそうだし、各所で書かれた動物、光や窓も考察対象になりそう。

今話では、水が象徴的に描かれていた。

冒頭、復興を目指し、汗を垂らす人々に、暗雲の切れ間から光が差し込む様子が描かれている。渇いた大地に滴る一滴の水は、生命力を表しているのだろう。

それと対比するように、光を避けるルーデウスと暗い海に沈み込むイメージが描かれる。暗い静かな海は死を連想させる。何度もこの水に沈むところが描かれ、終盤には生命活動すらもめんどくさくなっていく、ルーデウスが示されている。

しかし、海が持つイメージは死だけではない。生命の源と言われるよう生のイメージも持ち合わせている。また、海に還る、母なる海という表現からも分かるように羊水に喩えられることもある。沈み込んだルーデウスが思い出すのは母であるゼニスとの血の繋がりである。

思い出の中でもゼニスの滴る血が描かれている。血は逃れることができない母子の繋がりだ。また、厨二病的なニュアンスで言うと、契約や約束を意味しているのかもしれない。

その他のいろんな人から見放されたルーデウスが辿り着くのが、血の約束を交わしたゼニスの元なのだ。この役目はシルフィーでも担えない。自分が助けに行かなきゃと思うのは、あれだけ気にしていたシルフィーではなく、血の繋がった母親なのだ。

父親であるパウロとは歪な父子関係を築いていたが、ゼニスとの間には母と子の絆がしっかりあたのだということに感動した。

最後にルーデウスが一歩を踏み出す時には、一滴の水が滴る。冒頭と対応し、生命力を再び得たルーデウスの姿と重なる。

多分、他にもいっぱい粋な演出が仕込まれているのだろう。やっとアニメを視聴し終えたので、他の人の感想や考察を覗いてみたいと思う。

 

 

軽く見始めたアニメだったが、意外と濃い味だったので、次はいったんゆるふわ系アニメで舌を休ませたい。

気になっていたが、まだ見たことがなかった『ゆるキャン△』を見てみようかなと思う。

 

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本ページの情報は2022年3月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。