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「無職転生 〜異世界行ったら本気出す〜」第1話【感想】

第1話「無職転生」ブログ始めました。

 

異世界ものについて

そもそも異世界転生ものって面白いの?という思いが胸にずっとあった。より正確に言えば、異世界転生なんて現実世界に絶望してるおじさんが逃避のために見るものでしょという偏見を持っていた。なんなら、わたしの方が面白いものを書けるんじゃないかと思って、実際書き始めていた。数は少ないが異世界転生もののアニメをいくつか見たことがあり、その時に感じたモヤモヤ、そのモヤモヤした点を解消した作品を書けば、最高の異世界転生ものが書けるはず。導入を書いたあたりで、今流行っている転生ものをもう一度参考に見てみようと思って、この「無職転生異世界行ったら本気出す〜」の第1話をU-NEXTで視聴してみた。

多分、こんな機会が無かったら見てみようなんて思わなかったと思う。まず、副題が古臭い。10年近く前に流行った「明日から本気だす」というネット上の言い回しのアレンジ。現実にネットスラングやネットの言い回しを使っているのを見ても寒いのに、その上、古いなんて。

 

このように異世界転生というジャンルや、タイトルから本作品を敬遠している人がいるなら伝えたい。このアニメは他の異世界転生ものとは違うと。第一話を見るだけで、異世界転生ものに抱いていた偏見が払拭される。タイトルにしても原作が10年ほど前の作品なので、古臭さを感じるのも仕方ない。というか、こんなに面白い異世界転生があるなら、もっと早く教えてほしかった。わたしがオリジナルの異世界転生ものを書き始めようとする前に。

そういうわけで、わたしのオリジナル異世界転生ものの導入部分より先が書かれることはなかった。それぐらい、わたしはこの第一話に惹かれてしまった。

以下、この第一話でわたしが感じたことを書いていこうと思う。

 

第一話の素晴らしさは、とにかく丁寧さ、これに尽きると思う。

他の異世界転生もので感じるモヤモヤの一つに、異世界に転生してきた主人公の飲み込みが早すぎることがある。これまで見たことがないはずの世界に、自分の意思とは関係なく飛ばされてきたはずなのに、目の前で起こっていることに簡単に対応しすぎのように感じる。

これを回避する手段として、主人公が天才や、ゲーム等をやり込んでいるためファンタジー世界に詳しいなどの設定を用いることがある。

これにしたってやっぱりおかしい。ゲームやアニメで描かれるファンタジックな世界観やモンスターは誰かが創作したものであって実際に存在するものではない。わたし達は創作物に触れる事で、スライムが最弱でドラゴンが最強、魔法を使うには呪文を唱える必要があるなどのファンタジーリテラシーを得てきた。そんな作られたファンタジーリテラシーがが実際に異世界に飛ばされて、活きるはずかない。言語や文化、なんなら物理法則まで自分達が生きてきた世界とまるっきり違う異世界で、既知の常識が通用するなんてありえないのだ。

その点、この作品では、主人公がファンタジー世界に出産されるところから描かれている。幼年から少年へと成長していくなかで、初めは理解できなかった言語を理解していき、ファンタジーな世界観を把握していく。途中からその世界に放り込まれるのではなく、その世界に生まれ育っていく。これこそ生まれ変わりという意味での、真の転生もののあり方だと思う。また、主人公自身が異世界に転生したことに気付くシーンがある。そのシーンで空を飛ぶモンスターが描かれるのだが、そのモンスターの姿がドラゴンやスライム、キマイラみたいに、わたしたちがこれまで得てきたファンタジーリテラシーで言語化できるようなものではないのだ。既知の情報で形容しがたいモンスターの存在や、主人公が異世界に馴染んでいく様子を丁寧に描く。そうすることで主人公と同じく視聴者も異世界に対する実感と、その世界の常識を自然に得ていくことができるのである。

 

もう一点、主人公の設定も良い。転生前の主人公は体重が100キロある引きこもりのニートである。

わたしの転生もののイメージでは、主人公の容姿を「中の上(下)」とか「モテたことはないけどフツメン」と設定することが多い。しかも、一人称視点で書かれることが多いため、自分からその容姿を紹介することになるのだ。わざわざ自分を説明する時に顔のカッコ良さを項目に入れているぐらい、顔にコンプレックスを抱いているくせに、少し謙遜して「普通」だと言う。非常に気持ち悪い。

その気持ち悪さがこの作品にはない。体重の設定も転生後の主人公の母が生まれたばかりの主人公を持ち上げる際に自然に説明される。転生前の容姿や状況が最悪であるからこそ、魔術を使えるこの世界なら、前向きに生きられるかもという言葉に説得力が増してくるのである。

生前は人と上手くコミュニケーションを取れていなかったようだが、この世界ではエロゲの知識を活かして良い人間関係を築いている。ご都合主義的な部分ではあるが、それでも初めてエロゲコミュニケーションを使う時に、表情がぎこちなかったり、周りの人の反応が芳しくなかった時に、この世界の常識に反しているのかと不安を抱いたり、主人公の葛藤を示す「間」が描かれている。この「間」がないと、主人公が作者によって創られた存在で、作者が想定するシナリオの為に動かされているのだなという感じがして、一気に冷める。逆にこの作品のように「間」が丁寧に描かれれば、登場人物がその世界に実際に生きて、意思を持って動いているような印象を受ける。キャラクターが生きているからこそ、この世界でどうやって生き、どんな物語を紡いでいくのか気になって、見届けたくなるのである。

 

以上のような世界観作り、キャラクター作りの丁寧さのために、わたしは一気にこの物語に惹かれていった。今後も視聴を続けていきたい。

 

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本ページの情報は2022年3月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。